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「沈黙」-サイレンス-

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去年の暮れ長崎を訪ねました。長崎の教会群と軍艦島が見たかったのです。二十六聖人記念館でこのパンフレットを見つけました。原作は世界中で20カ国語に翻訳され信仰を貫くか、棄教し信者たちの命を救うかを神に問うた遠藤周作の代表作「沈黙」。アカデミー賞受賞のマーティン・スコセッシ監督がどう描くのか・・
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江戸時代初期を舞台にキリシタン弾圧を描いた「沈黙」の映画化を決意されたのは28年も前のことだそうです。人々の信仰のあり方が大きく変わった今この時代だからこそ、人々に何かを考えさせる機会になれば・・と考えたそうです。
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主よ、あなたは何故、黙ったままなのですかー。抑制の聞いたかすかな音楽と抑制のきいた美しい画面で始まる。江戸時代初期、日本で布教活動していたイエズス会の高名な宣教師フェレイラが捕らえられ、弾圧に屈して棄教したという手紙がヴァリニャーノ神父に届く。信じられない弟子のロドリゴ神父とガルペ神父は、それを確かめるため、マカオから長崎へ潜入を図る・・映画の中で考えさせられたのは弱さから何度も棄教を繰り返しながら神に許しを請わずにはいられないキチジローのあり方。
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160分身じろぎもせず館内は沈黙のまま・・感動に胸がいたくなりました。日本を舞台にして海外の監督が撮影すると、小道具や所作、衣装、とくに言葉(英語と日本語)の表現に違和感をおぼえるのですが、全くそれを感じさせませんでした。原作につけられた題名は最初「日向の匂い」であったそうで、原作者は「神は沈黙しているのではなく語っている」という「沈黙の声」という意味をこめていたのに、「沈黙」という題名が「神の沈黙を描いた作品」と誤読を招く原因となったことを悔やんでいた・・と山根道公氏がプログラムに書かれていました。原作者は最初からこの結末をイメージしていたのだと私は初めて納得しました。 注・・写真はプログラムからお借りしました。
by pompolona | 2017-02-15 22:08 | 映画 | Comments(0)
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