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クリスチナ・ロセッティの “ ソング ”

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イタリヤ人の父とイタリヤ系イギリス人の母との間に生まれたファエル前派の中心人物ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは詩人でもあり、画家でもありました。ルーツを追っていると彼には姉,弟,妹がいたことが分かりました。
 
姉のマライヤ・フランセスカは 大詩人ダンテに関する著作を発表し修道女となり、弟のウイリアム・マイケルはラファエル前派の活動を記録した批評家。
そして末の妹があの有名な“Who has seen the wind?”の詩を書いた詩人のクリスチナ・ロセッティだったのです。

クリスチナ・ロセッティの“ソング”に出逢ったのは中学時代・・“ジュニアそれいゆ”に紹介されていました。ファッションからポエムまでハイレベルな美意識で裏打ちされている何ともお洒落な雑誌でした。それ以来このソングを思いつめています・

             ソング 
           
        わたしが死んだら、 いとしい人よ
        悲しい歌など、 うたわないで 
        頭のところに、 バラを植えず
        木陰を作るサイプレスもやめて
        からだの上を緑の芝でおおい
        雨と露とで、 しめらせてください
        その気があったら、 思い出して
        その気になったら、 忘れて下さい

        物陰が落ちても、 目にははいらず
        降る雨でさえ、 もう感じない
        ナイチンゲールが悶えるように
        歌っていても、 もう聞こえない
        初めも終わりもないような
        薄明かりのなか、 夢を見続け
        わたしももしか、 覚えているか
        もしか、 忘れているのでしょう。

                岡田忠軒・訳
                 純愛の詩人
              クリスチナ・ロセッティ
                詩と評伝 より

当時紹介されていたのがこの訳詩だったかどうかは定かでありません。他の方も訳されているようですが、なかなか手に入りません。ご存じでしたら教えていただけませんか。

by pompolona | 2014-03-30 20:21 | ティータイム | Comments(1)
Commented by desire_san at 2014-03-31 13:24
こんにちは。
私も六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーでラフアエル前派展を見てきましたので楽しくブログを拝見しました。
保守的で停滞気味のロイヤル・アカデミーに反乱を起こし、新しい精神で芸術を創造しようとした「ラフアエル前派」の画家たちの気持ちには共感しましたが。印象派、フォービズム、キュビズムのような明確な理論や絵画手法を持った芸術運動でなかったラファエル前派は、この画家の感性や市資質の違いから大きな芸術潮流には育ちませんでしたが、ミレイ、ロセッティ、バーン・ジョーンズの魅力ある作品群から、画家の独特の自意識や美の感性を楽しむことができました。

今回の美術展で漠然としていた「ラフアエル前派」の全体像が見えてきたように思い、個々の画家の魅力も含めて「ラフアエル前派」について私なりにまとめてみました。読んでいただけますようでしたら、ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると感謝します。
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